子どもがリベンジポルノの被害に…どうすればいい?

相談者 SAさん(46)

 最近、娘の元気がないので、さりげなく聞いてみると、はじめは「別に……なんでもないよ」と答えていました。でも、その様子はその後も一向に変わらず、むしろ落ち込む一方なんですね。そこで先日、思い切って問いただしたんです。

 「何があったの。お母さんの目を見て、ちゃんと答えなさい」って。

 すると、消え入りそうな声で、「自分の裸の画像がネットに掲載されている」と言うではありませんか。驚いてそのネットを見ると、確かにそのとおりです。

 さらに問い詰めると、SNSで知り合った人から、「お互いに裸の写真を交換しよう」と言われて、つい送ったそうなんです。「同年代の女の子なら大丈夫」と思ったそうなのですが、うちの娘とその人のやりとりでちょっとしたトラブルがあって、「気がついたら画像がインターネットにアップされていた」というのです。

 娘の裸の写真はすでにネット上のいろんなところに出回っているようです。娘は「1枚の写真を消してみてもどうなるものではない」と言ったきり、泣き崩れてしまいました。しかも、その後分かったことなのですが、同年代の女の子と思っていた相手は、実は男性だったようなのです。

 娘はいまも「恥ずかしくて学校にも行けない」と泣いています。外出もほとんどしなくなりました。私としてはまず、その男がネット上にアップした画像を消した上で、その男にきちんと自分の行ったことの法的責任を取らせようと思います。

 こういう問題は解決が難しいと聞きますが、一体どのようにすればいいでしょうか。何か方法はありませんか。(最近の事例を参考に創作したフィクションです)。

(回答)

三鷹ストーカー殺人事件、リベンジポルノで追起訴の報道

 加害男性が元恋人である被害女性(当時18歳)のプライベートの写真と映像を、ウェブサイトを通じて拡散させた「三鷹ストーカー殺人事件(2013年10月8日)」を契機として、「リベンジポルノ」が社会問題化したのは記憶に新しいところです。

 この事件は、加害男性が元恋人を殺害したとして、殺人と住居侵入、銃刀法違反の罪に問われ、現在公判中です。しかし、15年8月8日の新聞各紙は、加害男性が被害女性と交際中に撮影した画像をインターネット上に投稿したリベンジポルノと呼ばれる行為そのものについても、東京地方検察庁立川支部があらためて起訴したことを報じました。

 すでに、1審裁判所(東京地方裁判所立川支部)が、リベンジポルノについて、刑の重さを決める要素のひとつに挙げて、懲役22年の判決を言い渡しており(平成26年8月1日判決)、マスコミで大きく報道されています。ですから、今回の追起訴という報道に関しては、今さら何だろうと思われた方も多いと思います。

 実は、上記判決に対し、被告側から量刑を不服として控訴がなされました。その結果、2審裁判所(東京高等裁判所)が1審判決を破棄して審理を差し戻したことに、今回の事態の原因があります。

 東京高等裁判所は1審判決について、「情状として考慮できる範囲を超えており、実質的にリベンジポルノも処罰するかのような刑を裁定した疑いがある」、「名誉毀損きそん罪を実質的に処罰する判決で1審の裁判官の審理の進め方に誤りがあった」などと指摘の上、懲役22年とした裁判員裁判による1審判決を破棄し、東京地方裁判所に差し戻したのです(平成27年2月6日判決)。

 つまり、起訴されていないリベンジポルノに関する行為を、実質的に処罰するのは問題だと、裁判所は判断したわけです。そのため、このままの状態で、差し戻し審である東京地方裁判所で審理が行われた場合、最終的な量刑が軽くなる可能性が出てきたことから、検察庁としてはあらためてリベンジポルノそのものについて審理の対象とすべく、今回、追起訴したわけです。

 ちなみに、1審裁判所は次のように述べて、懲役22年の判断を下しており、リベンジポルノの行為について厳しく糾弾しています。

 「被告人は、本件犯行後、インターネット上の掲示板に画像の投稿先URLを書き込んで、広く閲覧、ダウンロードできる状態にしており、その後被害者の裸の画像等は広く拡散し、インターネット上から完全に削除することが極めて困難な状況になっている。被告人が、被害者の生命を奪うのみでは飽き足らず、社会的存在としても手ひどく傷つけたことは極めて卑劣というほかなく、この点は、殺害行為に密接に関連し、被告人に対する非難を高める事情として考慮する必要がある」

 「……このような被告人の行為に対する責任は、上記の犯行態様、高い計画性、強固な犯意、犯行の経緯や動機の点に加え、特に被害者の裸の画像等の拡散により被害者の名誉をも傷つけたという悪質な事情を伴っている点で、男女関係のトラブルによる刃物を用いた被害者1名の殺人事件の類型の中では、量刑傾向の幅の上限付近に位置付けられる重いものといえる」

 「もっとも、裸の画像等を拡散させて被害者の名誉を傷つけた被告人の行為は、それ自体が起訴されていたとしても名誉毀損罪を構成するにとどまるから、その法定刑も踏まえると、本件の悪質性が、刃物を用いた被害者1名の殺人事件全般の量刑傾向に照らし、有期懲役刑と質的に異なる無期懲役刑の選択を基礎づけるものとまではいいがたい。本件については、判示第1の罪について有期懲役刑を選択し、併合罪の加重をした上限の刑を基本とするのが相当である」

リベンジポルノ防止法成立の経緯

 上記のように、三鷹ストーカー殺人事件の裁判の行方は、今後も予断を許さないところです。ここで特筆すべきなのは、この事件による1人の女性の死を契機として、2014年11月19日、国会で「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(リベンジポルノ防止法)が成立したことです。同法は同月27日に公布され、その一部が同日から施行されました(同年12月27日には全条施行されています)。

 スマートフォンの普及に伴い、誰もが簡単にインターネットにつながるようになりました。その結果、交際中に撮影した元交際相手に関する性的画像を、撮影対象者の同意なく、インターネットの掲示板に公表することで、被害者が長期間にわたり大きな精神的苦痛を受ける被害が発生するようになりました。このような行為は、「リベンジポルノ」と呼ばれて注目を集めるようになりましたが、これまでは以前からある法規制(名誉毀損罪やわいせつ物頒布罪など)で対処されてきました。

 前述した東京高等裁判所判決が1審判決について、名誉毀損罪を実質的に処罰する判決と断じたのは、こういった事情を前提としているわけです。ただ、名誉毀損罪が成立するためには、被写体の社会的評価が害されたことを立証する必要があります。また、わいせつ物頒布罪が成立するためには、画像や動画がわいせつ物に該当する必要があるなど、状況によっては立件が難しい場合があると指摘されてきました。

 そこで、前述の三鷹ストーカー殺人事件が契機となり、個人の名誉と私生活の平穏(プライバシー)の侵害による被害の発生や拡大の防止を目的として、「私事性的画像記録」の提供などを処罰するとともに、「プロバイダ責任法」の特例、被害者に対する支援制度の整備などを規定するリベンジポルノ防止法が制定されることとなったのです。

私事性的画像記録とは

 上記のように、リベンジポルノ防止法は「私事性的画像記録」を不特定の者や多数の者に提供する行為などを処罰する法律です。ところで、この法律のタイトルにも使われている「私事性的画像記録」とは何でしょうか。

 リベンジポルノ防止法は、その2条1項で、「私事性的画像記録」を次のように定義しています。

 「次の各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像(撮影の対象とされた者において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く)に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう)その他の記録」

(1)性交又は性交類似行為に係る人の姿態(1号)

(2)他人が人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(2号)

(3)衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの(3号)

本人が第三者に見られることを認識した上での記録は除く

 法律の条文上、「撮影対象者において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し、又は撮影したものを除く」とされたのは理由があります。

 つまり、第三者に公開することを前提として、撮影に応じたものや自ら撮影したものについては、これが第三者に提供等されたとしても、性的名誉及び性的プライバシーの侵害があったとは評価できないことから、こうしたものを除く趣旨であるとされています。

 したがって、たとえば誰にも見せない約束で撮影を許可した画像、交際相手だけに見せるつもりで自ら撮影した画像、交際相手に隠し撮りされた画像、第三者による盗撮画像等であって(1)から(3)のいずれかの姿態が撮影されたものなどは、「私事性的画像記録」に該当し、法の保護対象となり得ます。他方、アダルトビデオ、グラビア写真など、商業目的で作製された画像や第三者に見られることを認識して撮影を許可した画像、自ら撮影した画像などは、保護対象とはならないと考えられます。

 なお、上記定義は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(「児童ポルノ禁止法」)での定義に倣ったものですが、児童ポルノ禁止法と異なり、18歳未満を対象とするといった年齢要件は設けられていません。

リベンジポルノ防止法における禁止行為及び罰則

(1)私事性的画像記録公表罪

 リベンジポルノ防止法3条1項は、「第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した」場合、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定しています。

 ここでいう「第三者」とは、撮影者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者をいうとされています。また、「撮影対象者を特定することができる方法で」とは、画像自体から特定可能な場合のほか、添えられた文言、掲載した場所等の画像以外の部分から特定可能な場合を含むとされています。

(2)私事性的画像記録物公表罪

 リベンジポルノ防止法3条2項では、同条1項で規定する方法で、「私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した」場 合も「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」とされています。

 (1)と異なり、ここでは「私事性的画像記録」ではなく、「私事性的画像記録物」となっています。「私事性的画像記録物」とは、上記(1)~(3)を撮影した画像を記録した有体物(写真、CDロム、USBメモリなど)のことを意味します。

(3)公表目的提供罪

 リベンジポルノ防止法3条3項では、「前2項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」としています。例えば、LINE等によって拡散目的で特定少数者に提供した者が同罪に該当します。

 公表目的での提供行為は公表の前段階の行為ではありますが、公表させる目的で提供した場合には提供を受けた者による公表行為が行われ、撮影対象者に重大かつ回復困難な被害が生ずる可能性が高いことなどから、処罰対象とされているわけです。

 なお、(1)~(3)の罪は、公訴が提起された場合には、改めて被害者の性的プライバシーを侵害するおそれがあることから、名誉毀損罪、強制わいせつ罪、強姦ごうかん罪などと同様に、告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪とされています。

相談者のケース

 相談者の娘さんのケースも、裸の写真ということですから、2条1項3号の「衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部でんぶ又は胸部をいう)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」が撮影された画像に該当すると考えられます。

 また、女の子同士で交換しようとしただけで、第三者への公開に同意していたわけではありませんので、「撮影対象者において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し、又は撮影したもの」でもありません。写真を渡した相手が、「第三者が撮影対象者を特定することができる方法」でインターネットに公開したのであれば、私事性的画像記録公表罪に該当すると思われますので、告訴することが可能と思われます。

 ちなみに、「第三者が撮影対象者を特定することができる方法」で公開することが要件とされていますが、報道によれば、後ろ姿や顔が分からないように加工した写真をツイッタ―に投稿した事例であっても、女性のあだ名などが記載されていて、知人であれば撮影対象者を特定できる場合には、同法で逮捕されたりもしています。

 なお、「リベンジポルノ防止法」というタイトルから、リベンジ(復讐ふくしゅう)目的での犯罪を処罰対象とすると一般に認識されているようですが、本罪は「復讐」の目的を要件としていません。復讐の意思が全くなくとも、撮影対象者の同意がなければ処罰対象となり、相談者の娘さんのケースも立件され得ると考えられます。

ネットからの情報の削除

 ここまで刑事責任について解説してきましたが、この種の事案では、被害回復が非常に重要となります。つまり、情報の削除の問題です。

 現状のプロバイダ責任制限法では、プロバイダにおいて、発信者により発信された情報によって他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる理由があったときは、情報を削除しても、発信者に対して損害賠償責任を負わないとされています(プロバイダ責任制限法3条2項1号)。

 プロバイダがネット上の権利侵害に対し適切・迅速に対処できるように配慮した規定です。そして、プロバイダ責任制限法では、権利を侵害されたとする者(つまり被害者)から違法情報の削除の申し出があった場合、プロバイダは当該情報の発信者に対し、削除に同意するか否か照会して、7日間経過しても不同意の申し出がない場合には当該情報を削除しても、発信者に対して損害賠償責任を負わないという明確な基準も設けています。

 これらプロバイダ責任制限法の規定を前提として、リベンジポルノ防止法には、「私事性的画像記録」に関する情報が流通することによって名誉や私生活の平穏の侵害される期間について、プロバイダ責任制限法規定の「7日間」を「2日間」に短縮する特例が設けられています。「私事性的画像記録」がインターネットを介していったん提供されてしまうと、その拡散は極めて早く、被害者が受ける損害は重大で回復困難なため、削除の緊急性が非常に高いことを考慮したためです。

 削除の申し出の主体は原則として、被害者である撮影対象者本人とされています。ただし、撮影対象者が死亡している場合には、配偶者、直系の親族又は兄弟が申し出ることも認められています。

 相談者のケースでも、前述の刑事罰を求める告訴とともに、リベンジポルノ防止法に基づいて、画像の削除要求をプロバイダに対して速やかに行うことを検討すべきかと思われます。

 なお、警察庁の通達では、次のような運用上の留意事項が挙げられています。

 「私事性的画像記録がインターネットを通じて公表された場合の被害者の要望は、まずもって当該画像の削除である場合が多いと考えられることから、警察としても、被害の継続・拡大を防止するため、私事性的画像記録に係る相談を受理した場合には、捜査上の支障等がない限り、速やかに、当該画像の削除申出方法等を教示し、警察が直接削除依頼を行うことが適当と認められる場合には、サイト管理者等に対する迅速な削除依頼を実施するなど、当該画像の流通・閲覧防止のための措置を執ること。また、同種行為の再発を防止する観点から、証拠物件の還付等の際には加害者の手元に当該私事性的画像記録等が残らないようにすること」

 したがって、相談者の娘さんのケースも警察に相談すれば、警察から削除を要請してもらうことも考えられると思われます。

 警察庁もHPに「リベンジポルノ等の被害を防止するために」というお知らせの項目を設けて、「拡散防止のためには、早急に公表された画像等を削除することが重要ですので、出来る限り早く最寄の警察署等へ相談して下さい」と呼びかけています。

 ちなみに、米検索大手グーグルが6月19日、復讐の目的で元交際相手の裸の画像などをネット上に暴露するリベンジポルノについて、被害者からの要請に応じて検索結果から削除する対応に乗り出す方針を明らかにしています。ネット上の画像そのものが消えるわけではありませんが、今後、たとえ検索しても画面に現れなくなることは、この種の事案における被害拡大の防止に役立つことが期待されます。

法律施行後の運用状況

 福島地方裁判所郡山支部は5月25日、リベンジポルノ防止法違反で逮捕された33歳の男性に対して、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。元交際相手にストーカーと言われたことを逆恨みして、復讐目的で元交際相手の裸の写真約130枚をショッピングセンターの駐車場でばらまいたと事実認定されています。

 6月12日には、横浜地方裁判所が、元交際相手にLINEで「裸の写真をばらまく」とのメッセージを送って脅迫し、その後、元交際相手のわいせつな画像を本人と特定できるようにしてツイッタ―に投稿した39歳の男性に対し、リベンジポルノ防止法違反などの罪で、懲役2年6月、保護観察付き執行猶予4年の有罪判決を言い渡しています。神奈川県警によると、この事案はインターネットを利用したリベンジポルノ事件でリベンジポルノ防止法違反容疑を全国で初めて適用したケースとのことです。

 リベンジポルノに絡む全国の警察への被害相談は、リベンジポルノ防止法施行時(2014年11月19日)後の昨年末約1か月だけで110件に上ったと報道されています。

 リベンジポルノ防止法の施行を受けて警察庁が集計したところによると、被害者は、女性が99件で男性が11件。20代が41件で、未成年24件と20代以下の若年層が約6割を占めています。一方、リベンジポルノを引き起こした相手の年齢が判明したケースは79件あり、30代が25件、20代が20件、40代が1件、50代が8件となっています。

 被害者と相手の関係は、(元)交際相手が68件と約6割を占めています。次いで「知人・友人」が24件で、うち14件はネットだけでのやり取りであったということです。

 相談内容(複数回答)は、「公表すると脅された」42件、「画像を所持されている・撮影された」33件、「画像を送り付けられた」22件、「公表された」18件となっています。

警察による啓蒙活動

 警察は、裸の画像がインターネット上に掲載されたり、メールやコミュニケーションアプリによって多数の人に拡散されたりするといった被害が実際に多発していることを受け、警察庁のHPの「リベンジポルノ等の被害を防止するために」というお知らせの項目で、「被害に遭わないために」として、以下のように呼びかけています。

(1)「『裸の写真撮ってもいい?』、『エッチな画像送って』と言われたら…」→「だめ」、「嫌だ」といってきっぱり断る!

 ・誰かに見られたら困るような性的画像は、たとえ交際相手であっても安易に撮らせたり、送ったりしないようにしましょう。交際上のトラブルが発生した場合に、こうした画像が悪用されるおそれがあり、実際に事件に発展している例もあります。

 ・SNSなどで知り合った相手に性的画像を送るのもやめましょう。「同年代の女の子だから大丈夫」と思っていても、実際には年齢も性別もうそかもしれません。

 ・一度インターネット上に出回ると世界中に拡散してしまい、完全に消し去ることは困難となり、消えることのない苦しみを背負うことになってしまします。

 ・好きな相手や仲の良い相手から何度も頼まれると断りにくいこともあるかもしれませんが、画像が流出した際に傷つくのはあなた自身です。きっぱりと断りましょう。

(2)「『お前の裸の画像を持っている』、『ネットにバラまかれたくなければ言うことを聞け!』と脅されたら…」→すぐに警察に相談!

 ・まだ性的画像が公表されていなくても、性的画像について不安にさせるような言動があった場合には、すぐに警察等に相談してください。

 ・相手からの着信履歴、送られてきたメール等は必ず保存し、消さないようにしてください。

 ・一度公表されてしまうと、被害が大きくなってしまいます。1人で悩まずに、早期に警察等に相談することが非常に重要です。

(3)「ネット上に画像を掲載されたら…」→できる限り早く削除要請!

 ・画像を掲載された場合、プロバイダや電子掲示板の業者に削除依頼をすることができます。

 ・違法性が明らかな場合やプロバイダ等が権利侵害を判断できる場合には、即時に削除されます。

 ・権利侵害を判断できない場合でも、プロバイダ等から発信者(画像の掲載者)に削除して良いかを照会し、2日を経過しても不同意の申出のない場合は削除されます。

 ・インターネット上では、画像は瞬時に拡散してしまいます。できる限り早く削除要請をするためにも、すぐに警察等に相談してください。

この種の被害に遭わないために

 相談者の娘さんのケースもそうですが、一番大事なのは、たとえ誰であっても、自分の裸の写真などを撮らせたり、送ったりしてはいけないことを肝に銘じるということです。

 ここまで説明してきたように、事後的に刑事罰を求めたり、削除要請したりすることは可能ですが、いったんネット上に掲載されてしまった場合、瞬時に拡散してしまい、完全に消去することは困難となってしまいます。仮に、裸の写真を撮られてしまったり、不幸にしてネットに掲載されてしまったりした場合にも、できるだけ早く警察などに相談して、できるだけ被害を最小限に抑えることが重要です。相談者の娘さんの場合、既にネットに写真が掲載されてしまっているということですので、一刻も早く、まずは警察に相談して、これ以上、被害が拡大しないように努めることが必要です。

 

2015年08月12日 10時42分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

 


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